最終更新日:2000年7月15日
はっきりとは覚えてないけれど、今から6〜7年前になるでしょうか?。
当時は、バブル経済の最盛期。高層ビルやマンションが、雨後のタケノコのごとく建ち並び
とにかく仕事も忙しかった・・・。
当時、私もNTTの下請けで、その頃から比較的、中規模〜大規模ユーザーを対象にした仕事。
今現在に比べたら、お世辞にも技術レベルも高いとは言えない時代だったけれど。
そろそろ、電気通信とコンピューター技術が融合を始めた・・・そんな時代でした。
私は、電気科や、情報処理の関係の学校を卒業した訳ではありませんが。
趣味で、パソコンをいじっていた関係もあってか、その当時、ベテランと言われた人たちが
理解に苦しんでいた、コンピューター技術に、比較的すんなりと飲み込む事ができ、そのおかげで
重宝がられた・・・という表現が適当かどうか判らないけれど、下手すれば、休みらしい休みもなく
ただ忙しいだけの日々が続いていました。
あの当時は給料も手取りで、4〜50万ありましたか・・・。経費処理ができない事が多くて
ほとんど税金に持って行かれましたけれど・・・。
そんな訳で、私は、今だに海外旅行というものにも行った事がありません。
20代前半といえば、たいていの人は海外旅行に行って、いろんな見聞を広めてくるものですが。
残念ながら、当時からそんな暇はありませんでした。
私が休んだら、仕事が回らなくなる・・・という人がいますけれど。まったく、そんな状態でした。
次から次へと、ホントにもう・・・という状態で。
まぁ、それが、ある種の快感だったのかもしれませんが・・・。
そんな時、書店で立ち読みした一冊の雑誌・・・。
趣味がカヌーでの川下りや、キャンプなどのアウトドアという事もあり、時々購読していた雑誌が
ウッディライフ誌だった訳ですが。
購読していた最初の頃は、さほどログハウスというものには、興味がなかったのですが。
ある号に掲載されていた、北海道のニセコだったか?にお住まいのご夫婦。
スキーをするために、北海道に移り住み、クマザサの生い茂る原野を二人で開拓し、一棟のログハウス
お世辞にも、とても奇麗な・・・と言えない、失礼かもしれないけれど、それはみすぼらしい
平屋のログハウスを建てられ、限りなく、自給自足に近い形で生活されている様子を取材されていました。
開墾をしながら、一人で土木工事をされるご主人。
モンペを着て、サンダル履きで、薪を切るために、ハスクのチェーンソーを操る奥さん。
この価値観はいったいなんなんだろう?って、あの頃は真剣に考えました。
というか、次第に感化されていったのかもしれません。
自分なりに考えた結果・・・「家」ってなんぞや?と。
当時、精神的にも疲れていたのかも?。だから、余計にそんな事を考えたのかもしれません。
仕事で、新築のお客さんの家に訪問する事も結構あったし。
高いお金を出して、豪華絢爛・・・とは言わないけれど、25〜30年で償却する家より
みすぼらしくてもいい、その代り、長持ちする「家」を自分は選びたい・・・
それが、自分としては、ログビルディングとの出会い・・・というより、出発点だったような。
今から思えば、そう思います。
実際にこの道に進んでみて気がついた事。
「建築」というものを知らない状態からの出発ですので、イメージ的に考え、一般木造建築と比べ
ログの方が、とっつきやすい・・・と考えた事もありました。
一般木造建築は、なぜか、奥が深すぎるというイメージが先に立って・・・。
でも、それは違う事に、後になって気がつきました。
ログの場合は、一本の丸太を、皮剥きから、製材をする所まで、自分で行わなければならない。
つまり、昔の木挽き師と、大工が一緒になったようなもの。
特に、ポスト&ビーム工法なんて、そのいい例だと思います。
また、最近では、丸太の曲面をけがく技術・・・例えば、縁高梁等もそうですが。どちらかといえば
宮大工でもなければ、やらない技術・・・も、持ち合わせていなければならない訳で。
これだけの事を自分でやるのだったら、製材された角材を使って、柱や梁を加工する事も可能な訳で。
むしろ、その方が工程は省く事ができる訳ですよね?。
ログだから自分でできる・・・という考え方は違う・・・あるいは、とっつきやすいという事もない。
という事に気が付きました。
ログの魅力は?
じゃぁ、あなたの、ログに対する魅力って何?と聞かれると、私の場合、自分なりに考えた結果は
「構成美」だと思います。
構成美といえば、近代の木造建築でも、大工さんもこだわる所が、それは数え切れないくらいあります。
住んでる者は、普段、あまり気が付かない事が多いのですが。
(そういう価値観が薄れてきているのかもしれません)
その点、ログに関しては、こだわりをダイナミックに表現できる。ある種の派手さがあるかもしれません。
太い柱と梁、桁が交差する空間。その太い柱のため、比較的長いスパンを飛ばす事も可能で
また、柱、あるいは間仕切りをそれだけ少なくする事ができ、空間も広く取る事も可能。
それでいて、仕口の一致を繊細に・・・。
「静と動」を同時に表現できる建築物・・・ではないか?と思います。